すり減った硯。 2025.5.14
消耗した硯。 2025.5.14
私は仕事の合間を見ては書を書いて、更にそれをインスタグラムにポストしています。
墨液は使わずに固形の墨を硯で擦っています。
墨液は墨色が好きでないし筆が痛むのです。
硯は産地によって個性があり、私は中国硯を愛用しています。
とは言っても私の師匠だった亡き竹下柴秋の様な硯のコレクターではなく、実用本位で購入しています。
師匠いわく、中国硯は本物を見分ける事が至難の業らしい。
私が選ぶ中国硯は墨のおりが良く、かと言って荒くない細やかな墨が擦れればいいのです。
西神奈川店のデスクの上で書いていてスペースに限りがあり、6インチの硯を使っています。
ずーっと同じ硯を使っていたら、硯の表面部分・・丘・・・が丸くすり減ってしまったのです。
それを見た、宮師の晴行が使わなくなったノミが数本あるので丘の周囲の高い部分を削って治してくれる
と言うので預けました。
硯を扱う業者は多分、グラインダーで削ると思うのですが・・・・・
道具がノミでは、中央部分がかなり減っていたので削るのが大変だったみたいです。
そして丘を削ったら今度は墨が溜まる・・海・・の部分が浅くなり、海も彫り込んでくれたのです。
海は掘り過ぎると穴が空くので程々で済ませたそうです。
蘇ったこの硯はしばらく休ませて、新しく購入した中国硯を使う事にしています。今までありがとう・・・。