映画 お墓がない。 2025.5.23
映画 お墓がない。 2025.5.23
映画が好きなので、仕事が休みの日や夕飯の後で録画してある映画をよく観る。
かと言って映画館で観るのは苦手なのだ。
最近の映画館はドルビーサウンドとか言う凝った音響装置を使っていて、私にはとても耐えられない臨場感のある大音量なのだ。体に響く音圧に怯えてしまうのだ。
しかし、自宅で観るには自分の好きな音量に調節が出来るので楽ちんだ。
そうして音量を抑えた状態で観る、ハリウッドアクションが好きで、それに偏りがちだが、久しぶりに邦画を観た。
TVK 放映でタイトルが・・・お墓がない・・・・監督は原隆二。
仏壇屋としは、興味あるタイトルだ。
なんと、私の好きな岩下志麻が主演なのだ。
劇中の彼女は自分の病院での検査結果を癌と深読みした事で余命短いと思い込み、墓探しと葬儀プランについて調べ始めるという大映画スター役なのだ。
彼女は老婆に変装して袴田吉彦演じる墓地販売や葬儀を生業にしている業者を相手に奮闘するストーリーだ。
カツラを被り眼鏡をして一般の老婆に成りすますのだが、この姿がなんとも凛としていて、大スターの威厳を含んでいて美しいのだ。
この映画の中では映画撮影をしていて、この撮影中での岩下志麻の設定は、母子家庭で、医師に余命宣告された安達祐実演じる娘が居る母親役だ。
この、お墓がない・・の映画では岩下志麻は自分が癌と早とちりした大女優で、その大女優が演じる母親は余命短い娘がいる・・・という説明が何とも難しいのだ。だが彼女の美しい演技に引き付けられて見入ってしまう。
岩下志麻演じる大女優役を通して、昨今の葬儀や墓地事情を風刺した内容だが、共演している安達祐実がまだ幼いのでこの映画の製作時期は大分以前みたいだ。
最後は、この岩下志麻が演じる大女優が葬儀、墓地に対しての固定認識に一石を投じる作品になっている。
エンドロールで、今は無くなっている日活株式会社の名前、そしてスキャンダルで今、揺れ動いているフジテレビジョンの名前が流れていた。
岩下志麻は今、元気だろうか。
ご主人の篠田正浩監督は数年前に鬼籍に入られた事は知っている。
年齢を重ねているとは思うが、また岩下志麻の存在感ある作品を観てみたい。